昨日の熊谷工業で専門学科の集中取材は一段落だ。
 各学校でたくさんの実習授業を見せてもらったが、ほとんどの授業が少人数編成で行われていた。
 しかも指導者(先生)も複数であることが多い。
 もっとも、そうじゃないと技術は身につかない。

 一部を除けば専門学科は、普通科同様に1クラス40人ないし2クラス80人で募集をかけている。
 ホームルームとしてはそれでいいだろう。
 だが、英数など一般教科は1クラス40人でいいとして、専門科目とりわけ実験・実習の授業となった場合は40人では多すぎるのではないか。
 素人ながらそんな印象を持つ。

 昨日も書いたが熊谷工業を例にとると、電気科と情報技術科は40人定員がうまっているが、建築科(40人募集)・土木科(40人募集)・機械科(80人募集)は定員割れとなっている。
 だが、もしも1クラス35人、2クラス70人という募集であったら建築科と土木科は共に「36人/35人=1.03倍」となる。
 残念ながら機械科は2クラス募集ということもあり「61人/70人=0.87倍」で定員割れから脱出できないが90%近くは集まっていることになる。

 40人は集まっていないが35人は集まっている状態。
 あるいは30人以上は集まっている状態。
 教育の質を高めるという点では、このくらいの人数がちょうどいいのではないか。
 (まあ実際問題として1クラス定員を減らすと先生の配分も減らさなければならないと思われるので、話はそう簡単ではないと思うが)

 工業に関する学科の令和7年度入試を見てみよう。
 13校45学科ある。
 このうち1クラス40人、または2クラス80人をクリアできたのは15学科であった。
 これがもし、1クラス35人あるいは2クラス70人募集だったらどうだったか。
 先の15学科に加え、9学科がこれをクリアできて、合計24学科となる。
 45学科中24学科。つまり半分以上が定員割れを回避できたことになる。

 定員割れというと、いかにも人気がないように思われるが、それは普通科同様に1クラス40人で考えるからだ。
 学科の性質を考えれば35人でいいし、それ以下でもいいかもしれない。

 現状40人定員であるから、そこを埋めるべく募集活動をすべきなのだろう。
 だが、教育面を重視すれば無理に埋めにかかるより定員の8割、9割を目指す募集でいいとも言える。
 人数は若干欠けても、好きな子や向いている子が集まったほうがいいに決まっている。
 むろん少なすぎれば存在意義を問われることにもなるが、専門学科の募集は、普通科とはちょっと違った観点があってもいいと思う。