今日の訪問校は熊谷工業高校である。
 よみうり進学メディア埼玉版6月号「専門高校特集」の取材。

◆最寄りは秩父鉄道「石原駅」
 埼玉県民なら秩父鉄道の存在は知っているだろう。
 ただ、乗る機会は少ないと思う。
 熊谷工業の最寄り駅は熊谷駅から2つ目の「石原(いしわら)駅」だ。
 ちなみにもう一つ先が「ひろせ野鳥の森駅」で、ここは熊谷商業の最寄り駅。

 時間帯にもよるが1時間に2本くらい。
 1本という時間帯もある。
 しかし今回はあえて車ではなく電車を選択した。
 正確に測定したわけではないが「石原駅」から学校までは25分程度かと思う。
 結論「次は車にしよう」。

◆高度成長期を支える
 埼玉の工業高校で歴史が古いのは、明治の川越工業、大正の大宮工業、昭和戦前の川口工業であるが、その後、一気に増えた時期がある。

 昭和36年(1961)浦和工業
 昭和37年(1962)狭山工業
 昭和38年(1963)久喜工業
 昭和39年(1964)春日部工業
 昭和41年(1966)熊谷工業

 こんな時代があったんだね。
 毎年のように新しい工業高校が作られた。
 世の中が機械や電気の技術を学んだ若い力を求めていた。
 工業高校出身者が我が国の高度経済成長を支えたと言っていいだろう。
 
◆土木科は熊谷工業だけ
 県内の工業高校に必ずあるのが機械科と電気科の2科である。
 建築科は東西南北の4校に設置されている。
 (東)春日部工業
 (西)川越工業
 (南)大宮工業
 (北)熊谷工業

 熊谷工業の特色の一つが「建築科」とは別に「土木科」があることだ。
 県内で唯一。
 関東地区を見渡しても、土木科はそれほど多くない。
 建築が住宅や商業施設など建物を作るのに対し、土木は道路・橋梁、ダム、トンネルといった社会インフラを作る。

◆2学科が定員クリア
 令和7年度募集の結果は次のとおり。
 カッコ内は定員。
 
 ▼電気科(40)
  受検者42人 1.05倍
 ▼建築科(40)
  受験者36人 0.90倍
 ▼土木科(40)
  受験者36人 0.90倍
 ▼機械科(80)
  受験者61人 0.77倍
 ▼情報技術科
  受験者50人 1.25倍

 以上のとおりで、電気科と情報技術科が定員をクリアしている。
 建築科と土木科は定員割れだが9割はキープしているのでまずまず。
 他学科に比べ募集定員が多い機械科はやや苦戦しているが、全体としてはまずまずの結果を残していると言えるだろう。

◆広報活動がんばって
 ホームページの更新頻度が少ない。
 SNSなどを利用していない。
 技術を持った人がいるはずなのに活動状況は今一つだ。

 ちなみに工業と名の付く学校(大宮工業・春日部工業・川口工業・川越工業・久喜工業・狭山工業・三郷工業技術)は、いずれもインスタグラムを開設している。
 熊谷工業が始めてくれれば工業高校勢はコンプリート。
 今日は5学科すべての実習授業を見学させてもらったが、最新の機材を使った授業、最先端の技術を追求する授業など魅力的な授業がいっぱいだ。
 ぜひ動画や写真で伝えてほしい。