今月に入って春日部方面に何度も出かけている。
宮代高校(2回)、春日部東高校、そして今日は杉戸高校。
杉戸高校での職員研修会は今年で三度目となる。
私立だと同一校で繰り返し研修を行うこともあるが、公立で3年連続は記憶にない。
初年度は入門編で広報や生徒募集の基礎的な話をした。
2年目は初級と中級の間くらいの話をした。
3年目の今回は中級編と言ったところだろうか。
募集に関してはくすぶっていた学校である。
燃えているような、いないような・・・
大きく定員を割るようなこともないが、爆発的に倍率が上がるようなこともない。
こういう学校、結構ある。
先生にとっても生徒にとっても、ある意味居心地がいい学校だろう。
この手の学校では、特に大きな問題もないので、「別にこのままでいいんじゃないの」という空気がまん延しがちで、改革はなかなか難しい。
いっそどん底まで落ちてしまえば、守るべきものがなくなるので大胆な改革が進めやすい。
だが、杉戸高校はそこまで落ち込んでいるわけではないし、上手く行っていることもたくさんある。
つまり守るべきものがある。
そんな杉戸高校だが一昨年(令和6年度入試)、突如覚醒した。
良い意味で「どうした杉戸高校」状態。
さてその結果、第1回進路希望調査で1.17倍を記録した。
決して驚くような数字ではないが、それまで3年間、第1回調査では定員割れだったのだ。
1.17倍は2017年(平成29年度)の1.16倍を上回る過去10年間での最高倍率だ。
ここで大事なのは、この数字が単なる偶然ではなく、さまざまな「手を打った」結果であることだ。
大して勉強していないのにいい点が取れてしまったのではなく、予習復習をやり授業を真面目に受けて、取るべくして取ったのだ。
何をやったからなのか、どうやったからなのかが経験として残るから再現性がある。
したがって翌年(つまり昨年度)はもっと上手く行った。
第1回調査では1.71倍、最終的には1.33倍(志願先変更後)の高倍率をたたき出したのだ。
募集・広報の面でさまざまな手を打ったのは間違いないが、私が観察する限りでは、授業など学習指導面、進路指導面、そして学校行事などでさまざまな新機軸を打ち出している。
一番のポイントはそこだろう。
いくら広報を頑張っても、伝える中身がしょぼかったら受験生・保護者の支持は得られないだろう。
人口約4万3千人の杉戸町には公立中学校が3校あったが、3月末に統廃合があり2校となった。
お世辞にも勢いのある街とは言えない。
しかし、そんな街でもやりようでは人気校は作れるのだ。
ということを杉戸高校にはぜひ示してもらいたい。
現に同じ街にある昌平中学高校は人気校となっているではないか。
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