和光国際高校の教育関係者説明会(塾説)に行ってきた。
 岩槻高校の塾説と重なったが、同校の新校説明会は3月に行っているので今日は和光国際を優先。
 
教育関係者説明会を実施しました(和光国際高校HP)

塾関係者・教育関係者等 岩槻新校説明会開催しました(岩槻高校HP)

 前年度は9月に塾説を実施したが、これでは遅すぎる。
 まして今年は新校プロモーションを大々的に行わなければならない。
 そこで早期の実施となった。
 参加者はざっと40人くらいか。

◆生徒、出来上がってるじゃないか
 説明会場は正面玄関からもっとも遠い視聴覚室だ。
 何度も行っている学校なので場所はよく分かっている。
 が、体育の授業終わりなのか流しで顔を洗っている女子生徒を発見したので、「視聴覚室はどちらでしょうか」とたずねてみる。
 生徒がどんな対応するかを試してみようという魂胆だ。
 たぶん、「そこの階段を上がったら左に進んで突き当り」ぐらいの説明をしてくれるんだろうと思いきや、「ちょうど2階に行くところなのでご案内します」と言うではないか。
 もちろん有難く先導していただき無事会場に着いたわけだが、「ご案内します」がとっさに出る高校生はめったにいない。

 と、こんな一件があって、説明会での校長先生の話。
 「お預かりした生徒を伸ばすのが高校の役割であり価値である」という話の中で、生徒総会でのエピソードが紹介された。
 休日の部活動について上級生から意見が出た。「自分たちは休みの日も練習したいが、そのために休みを返上して出てきてくれる先生のことも考えなくてはいけない」。
 一方、1年生からの意見。「靴下の色の制限をなくしてほしい」。
 自分の要望だけ述べる1年生と、相手の立場にも配慮できる上級生。
 これが我々が目指す成長の一例という話なのだが、分かるよ。それ、さっき目の当たりにしたから。世界のどこに出しても恥ずかしくない生徒がちゃんと育ってる。

◆早く進学実績を出してほしい
 上位校と目される学校のほとんどは、今春の大学進学実績をすでに公表しているが、和光国際はまだ出ていない。
 想像するに、数(合格数)の競争にはどちらかと言うと否定的な先生が多いのだろう。
 否定的までは言い過ぎとして、積極的ではない。
 たしかに、国公立〇人とか早慶上理〇人とかを大々的に宣伝するのは、あまり格好いいとは言えない。塾や予備校じゃないんだから。

 学校側や先生が行かせたい大学ではなく、その生徒にとっての第一希望を実現させるのが進路指導本来の姿であるのは誰も否定しない。
 誇らしげに数を喧伝している学校だって、学校や先生の都合で嫌がる生徒を無理に押し込んでいるわけではあるまい。

 有名大学に何人受かったがすべてではない。
 部活も勝ち負けがすべてではない。
 が、その上で。
 世間から注目してもらい、「こういう学校もあるのだ」と気づいてもらい関心を持ってもらうための一つの手段として、進学実績や部活実績を謳うのは間違っていない。それが学校広報を専門的に扱っている私の立場だ。

◆県内にライバルなし
 新しくできる学科は「国際科」である。
 近い学科として「国際教養」とか「外国語」があるが、それらとは一線を画する。
 強いてライバルを上げるとすれば大宮国際中等教育学校(さいたま市立)くらいか。

 埼玉県内には比較対象できる学校学科は存在せず、唯一無二の存在だ。
 ただ、全国に目を向ければ、同じ方向を目指す公私立がいくつもある。
 新生「和光国際」は、埼玉県を代表する国際高校として、それらに負けない学校づくりをしてもらわなければならない。
 

 追記。
 和光国際高校からの帰途、新座総合技術高校に立ち寄った。
 車で5分程度。
 朝霞高校や朝霞西高校も近くにある。
 近さを感じにくいのは、間に広大な陸上自衛隊朝霞駐屯地や演習場があるためだろう。
 和光市、朝霞市、新座市とは行政上の区域は異なるが、教育面や生徒募集面でさまざまな連携が可能なのではないか。