朝から長い動画を観てしまったよ。文部科学省による「学校の情報環境整備に関する説明会」の動画で2時間24分15秒という長尺。
本来なら全国の教育委員会から担当者を東京に集めるところだが、このようなご時世だから、オンラインでやったというわけだ。限定公開ではなくYouTubeで一般公開というのが面白い。
この説明会の目的は、ICT補助金(GIGAスクール構想)についての周知徹底を図ることらしい。
当日の資料は「令和2年度補正予算概要説明~GIGAスクール構想の実現~」(令和2年5月11日)というもので、本文33ページ(A4横)、参考資料10ページ(同)、その他18ページ(同)。
これ、今までだったら出席者分印刷(コピー)してたんだろうね。オンライン説明会にしたことで、参加者の旅費も時間も節約できたし、結構なことじゃないか。
では、お忙しい皆さんのために見どころをご紹介。
が、その前に。
冒頭、ICT活用教育アドバイザー事務局の井上さんという司会者が登場するが、あなたね、お仕事のときは髪の毛結わえなさいよ。髪が垂れてきたのをいちいち首を振って直すのは見苦しいよ。
と、まあこれはどうでもいいか。
この説明会の見どころは、本題に入る前にある。
まず矢野和彦審議官(初等中等局担当)の挨拶。
「5%の家庭にICT環境が整っていない。だからやらないというのが今までの発想だが、逆に言えば95%はできるじゃないか。5%に対する工夫をして、どんどん進めろよ」というようなことを言っておられる。
ここまで約8分。
次いで本日のメイン、高谷浩樹・初等中等教育局情報教育・外国語教育課長が登場。
8分過ぎから始まるが前半は、文部科学省がこれだけのことをやっているんだから、各都道府県教委もしっかりやってくれというようなことを割と穏やかに語っているが、21分30秒あたりから次第にボルテージが上がってくる。
「前代未聞の緊急時なのに危機感がない。ICT、オンライン学習は学びの保障に役立つ。使えるものは何でも使って、できることから、できる人から始めろ。既存のルールにとらわれず臨機応変にやれ。一律に出来ないとか、ルールで出来ないとか、おかしいだろう。今は緊急時なんだ」などと言っておられる。
ここまで約28分。
最初に述べたとおり、役所間の事務連絡のような会だから、関係者やよほど関心のある人以外はここで視聴終了ということでいいだろう。
しかし、これを見てよく分かったよ。こうやって、文科省は都道府県教委に対して、上からガンガンものを言ってくるわけだ。で、それが都道府県教委、市町村教委、各学校の校長と下りてきて、最後は校長が先生方に向かって、「やれ!」となる。
で、お金は? 予算は?
無いよ。そこは頭でカバーするんだ。身体で補うんだ。
という構造は今まで通りだが、「ルールにとらわれなくていいのだ。ルールを守ることが目的じゃないんだ。臨機応変に考えていいのだ」ということを、密室の会議ではなく、公開の動画の中で言ってしまった(われわれは聞いてしまった)のは収穫だ。
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