最近ビジネス界では、自責(思考)と他責(思考)ということが言われているらしいのだ。待てよ。最近言われているのではなく、言われていることを最近になって私が知ったのかもしれない。
 が、それはどっちでもいい。

 自責と他責に優劣はない。
 何でも他人や環境のせいにする他責の方に問題がありそうだが、何でも、の部分が問題なのであって他責そのものが悪いわけではない。

 自分自身やその周囲の人々を観察すると、自責の傾向が強い人と、他責の傾向が強い人がいる。
 あなたは自責の傾向が強い「自責派」か、それとも他責の傾向が強い「他責派」か。
 私は、たぶん「自責派」だ。

 「自責派」は自己中心的である。だって、そうでしょう。何か失敗したら、「悪い。すべてオレの責任だ」っていう態度を取っちゃうわけだから。
 本当は自分以外の、チーム全体や組織全体に問題があるかもしれない。そこを冷静に、客観的に見なければいけないが、常に目が自分に向いてしまう。こういうのはリーダーには向かないね。視野が狭いのよ。だから一人で仕事をしている。

 組織のリーダー的な立場にある人は、他責志向の訓練をしましょう。
 失敗を部下の責任にするのか。
 いやいや、そういうことじゃない。常に組織全体、チーム全体の問題点に目を向けなさいという話だ。どう考えても、組織やチームに問題がないのにうまく行かなったら、その時は「アンタが悪い」んだよ。

 自分に何か問題はなかったか。先にそれを考えるのは、下っ端のうちはそれでいいが、人の上に立ったら、最初に考えるのは全体だ。テメエの責任は最後に考えろ。

 というのは、職業人生で上司とか管理職とかを経験したことのない私の言い分であるから、あまりあてにはならんが、自責がすばらしく他責は良くないという考え方は、いったん見直した方がいいだろう。