本日は、埼玉県公立入試に関する、もろもろデータのまとめ。
 まずは学科ごとの最終倍率。これまで倍率は何度も出てきたが、これが最終まとめ。追検査を含む実受験者を入学許可候補者数で割った数字。

◆地域差くっきり普通科倍率

 普通科全体が1.16倍なので、それを超える学校(35校36学科・コース)を掲載した。
 東西南北4地区に分けた場合、南部15校、西部11校、東部6校、北部2校となる。南部15校のうち10校はさいたま市である。
 この表にない主な学校は、所沢北(1.13)、越谷北(1.11)、伊奈学園(1.09)、熊谷(1.07)、春日部女子(1.00)などである。所沢北は前年の高倍率の反動と見ることができるが、越谷北は2年連続の低倍率だ。
 春日部女子は学校選択問題導入が響いているようだ。今年は埼玉県でただ一人、東大(文)に推薦合格者を出しているのだが、学校HPには東大のトの字も出ていない。ここはしっかりアピールするところだと思うが、何か事情があるのだろう。

◆存在意義問われる外国語科

 理数科は全体として高倍率を維持しているが、外国語科はやや低迷している。今の時代、普通科でも国際教育・語学教育を重視しているので、相対的に外国語科の特色が薄まっている。無理だとは思うが、全員留学必須とか、全教科英語で授業といった思い切った施策を実施しないと浮上の目はないのではないか。

◆専門学科では「情報」が人気

 大宮光陵(美術)は、前年に続いての高倍率。近年芸術系では音楽の低倍率が目立つ。
 工業系では情報技術、商業系では情報処理と、情報と名の付く学科に人気が集まっている。
 川口工業は、この表に出ていない電気科(1.11)も含め3学科すべてが工業科平均(1.04)を超えている。
 商業系では、市立川越、上尾が高いが、普通科含む学校人気によるところが大きいと思われる。商業のみの専門高校としては、伝統校・深谷商業が3科とも商業科平均(1.08)を超えている。
 川越総合は、前年(1.02)の反動という面もあるが、総合学科の中では非常に分かりやすい学校だと言える。前身は川越農業なので農業関連の施設が完備しており、それを生かした農業、食品、生物を中心の教育課程が編成されている。

◆超過合格者は僅か

 この表で超過合格者とは、入学許可候補者数が募集人員(定員ではない)を何人上回っていたかを表したものである。
 ここ数年、高倍率校を中心に、募集人員を超える合格者を出すことが続いていたが、今年はそうした動きがほとんど見られなかった。前掲の各科最終倍率を見ても分かるように、合格者を多く出し事後的に倍率を緩和させる必要のある学校が少なくなってきたためと思われる。

◆不合格者はどこに行く

 高倍率校イコール不合格者を多く出してしまう学校ということだが、改めてその人数をまとめてみたのが上の表だ。
 この後、3月17日から23日にかけて欠員補充のための入試が行われる。不合格者の一部はこちらに回ることになるだろう。多くの学校が、調査書・学力検査(国・数・英)・面接の3点セットで選抜するわけだが、受験生側は願書提出から始まり、本試験で行ったプロセスをもう一度踏まなければならない。もっと簡素化できないものかと思う。

 不合格者の多数は、併願していた私立に向かうことになる。今日までが延期していた手続きや学納金納付の締め切りという学校が多いだろう。
 受験生には申し訳ないが、私立学校サイドに立って考えると、上位校が激戦になればなるほど、学力上位層を併願によって獲得しやすくなるわけである。
 先ほど同様、上の表にある48校を東西南北に分類してみると、南部19校(うち、さいたま市11校)、西部14校、東部10校、北部5校となる。

以上。今日のまとめ終わり。