毎日数字の羅列では面白くないと思うが、仕事上まとめをしておく必要があるのでお許しいただきたい。
 今日のテーマは、規模の小さい学校ほど募集に苦労するという話である。

 県内私立については、ここ数年の調査の結果、小規模校ほど募集で苦戦しているという状況が確認できた。
 原因はさまざまあるが、小規模校は募集活動に投じられる予算や、スタッフが少ないのも一因だろう。
 たとえば、県内最大規模は800人募集の浦和学院、最小規模は180人募集の(内進除く)の大妻嵐山で4倍以上の開きがあるわけだが、では小規模の大妻嵐山が、説明会の回数やパンフレットの部数・頁数などすべてを4分の1の費用と労力で賄えるかというと、そうは行かない。だから苦しい戦いとなる。
 もちろん都内私立などを見れば、中規模・小規模でも募集を成功させている例はいくらでもあるので、市場の違い、歴史の違いなどさまざまな要素を考慮しなければいけないが、その話はまた別の機会ということで先に進めさせてもらおう。

 埼玉県公立高校(主に普通科)において、学校規模ごとの募集状況はどうなっているか。
 予想される結果は、募集人数の多い学校は概ね定員を満たしているが、少ない学校しほど定員確保に苦しんでいるというものだ。
 もっともこれは、鶏が先か卵が先かのような話で、定員確保が困難だから募集人員を減らしているという面もある。

 では結果を見て行こう。
 学校規模を大きくL・M・Sに分けた(洋服みたい)。
 表の一番右の数字は(ここでは「超過人数」としているが)、実受験者が募集人数をどれほど上回ったかを示しており、昨日掲載した不合格者数とほぼ一致している。
 この数字が赤字の学校は、定員割れということだ。


 いわゆる難関校の多くは、このサイズかもう一つ下のサイズの中に含まれる。今年の数字を見る限りでは、大宮光陵(今年40人増)、春日部東、越谷北、草加あたりは、このサイズだとちょっと厳しいのかもしれない。

 
 越ヶ谷、和光国際、浦和南、大宮北あたりは、一つ上の360人募集にも耐えられる人数を集めている。入間向陽、岩槻はやや厳しいが隔年現象を考慮すれば来年は持ち直すだろう。川越西、草加東などは世間的には進学校と目されていないのだが、このサイズでも十分生徒を集められている。


 こあたりから余裕のない学校が増えてくる。市立川越は一つ上のサイズでも集まる。商業系2学科を一つにまとめ、その分を普通科に振り替えるともっと人気が出そうだ(今でも十分人気だが)。秩父は地域的なことを考えるとやむを得ないだろう。
 なお、最初に書き忘れたが、伊奈学園と市立浦和は中高一貫であり、内進生は考慮していない。


 最初から小規模だったのではなく、徐々にサイズダウンしていったが、それでも苦戦を強いられている学校たちだ。学校行事や部活動といった授業以外の学校生活も含めて考えた場合、これ以上のサイズダウンはない。この状態が続くようだと、残された道は統廃合しかないという状況になってくる。先生方が頑張っておられるのはよく知っているので、そうならないよう応援したいと思う。

 調べてみた結果。
 自分でもあまり大したことないデータだったかなと思う。
 仮説の立て方が悪いんだな。

 追伸
 個人的にはきわめて残念だが、1週間前に書いた通り選抜高校野球は中止となった。