クソッ、また見出しに釣られてつまらん記事を読んでしまった。

 衝撃! 共通テスト特例追試「国語」に過去問と同じ文章二つ 予備校講師ら「公平性に疑念」(3月23日 朝日新聞EduA)

 2月に行われた大学入学共通テストの特例追試で、国語の素材文が過去に出題された素材文と同じだった。
 で、予備校講師や高校教員らから驚きの声が上がっているというニュース。
 
◆受験者は一人
 今年度が初となった大学入試共通テストは、しょっぱなから新型コロナの影響を受け、第一日程(1月16・17日)、第二日程(1月30・31日)、特例追試(2月13・14日)の3パターンで行われた。
 記事にあるのは特例追試でのことだが、受験生は1人だった。
 たった一人だよ。
 衝撃と言うなら、こっちの方がよほど衝撃だ。

◆四半世紀以上前の過去問と同じ
 素材文の一つは「想像力の考古学」(饗庭孝男)、もう一つは古典の「今鏡」。
 
 ちょっと本題からずれるが、「今鏡」は「四鏡(しきょう)」の一つだね。
 古い順に「大鏡(おおかがみ)」「今鏡(いまかがみ)」「水鏡(みずかがみ)」「増鏡(ますかがみ)」。
 高校生のとき、「だいこんみずまし」って覚えたよ。

 話戻って。
 特例追試の素材文だが、1995年と1993年のセンター試験と使用範囲が同じだった。
 えーと、今から26~28年前という計算だ。
 今年の受験生が生まれるよりずっと前。
 衝撃と言うなら、これも衝撃。

 まとめて言えば。
 受験生がたった一人の入試で、はるか昔の過去問と同じ素材文が使用されたことをもって「不公平」と言い出す予備校講師や高校教員がいることが私にとっての衝撃であり、素材文が重複するのは入試では有り得ることだし、あってはならないことだとは思わない。

◆既定方針どおりの出題
 記事でも触れているが、大学入試センターは2008年に「過去のセンター試験や大学の個別学力試験で使用された問題の素材文、教科書に載っている文章であっても、その後の試験問題の素材文として使用することはありうる」との方針を出している。
 また、今回の特例追試は、2014年に「緊急対応用」として作られた問題を使用したが、センター側は昨年6月の時点で文部科学省に対し、「共通テストの第1、第2日程用の問題のほかは、この緊急対応用の問題しか活用できるものがない」ことを伝え、同省もそれを認めたということだ。
 なるほど。
 話の筋は通っている。
 
 要するに当該記事は、手抜きだと言いたいのかな
 
 まあ、これを批判している高校教員は、新任以来ただの一度も中間や期末で同じ問題を出したことがなく、常に未出の問題を出し続けているのだろうが、そんな離れ業が出来るのはあなただけですよ。
 大抵は過去問題の焼き直し。
 少なくとも私はそれでしのいできたし、異常事態の中の緊急対応という点も含めれば衝撃でもなんでもなく、この程度はセーフでいいと思う。