久しぶりに調査統計モノである。今回は埼玉県公私立高校の現役大学進学率(国公立)だ。
 最初にお断りしておくが、これは1年前、すなわち令和2年3月卒業生の結果である。
 また、ここでの割合(進学率)は、合格件数(のべ合格者数)ではなく、進学者、すなわち実際に入学した人数を卒業生数で除したものである。

 すでに令和3年3月卒業生の結果が出ている時期に、なぜ1年前なのか。
 その理由は、県の調査結果発表が例年より大きく遅れたからである。
 コロナの影響かと思うがよく分からない。

 令和2年3月高等学校卒業者の進路状況調査
 
 この資料は例年なら夏までには出ているはずだが、今年度は翌3月(つまり先月)まで持ち越された。
 
 この資料の良いところ。
 1 男女別の卒業者数がわかる
 2 実際の進学者数が現浪別・国公私立別・男女別にわかる
 ただし、どこの大学に進学したか(大学名)はわからない。

 では、「実際の進学者数÷卒業者数=現役進学率」を国公立大学について見て行こう。
 が、その前に。

 って、前置きが長いね。

 現役進学率の高い順に並べているが、学校の優劣ではない
 あくまでも傾向を見ようとするものだ
 つまり、卒業生のうち、どれくらいが実際に国公立大学に現役で進学しているかを調べたものである。

 今回はせっかく男女別の卒業者数、進学者数がわかっているのだから、男子と女子を別々に見てみよう。
 ★印は私立。理数科または外国語科がある学校は普通科と別々に出している。 

【男子】
 01 大宮・理  53.57%
 02 松山・理  35.71%
 03 大宮    34.69%
 04 市立浦和  34.44%
 05 蕨     34.10%
 06 蕨・外   33.33%
 07 浦和    31.97%
 08 不動岡   30.60%
 09 川越    28.65%
 10 越谷北・理 28.57%
 11 春日部   26.15%
 12 ★栄東   24.65%
 13 大宮北・理 23.33%
 14 越谷北   21.98%
 15 ★大宮開成 21.89%
 16 熊谷西・理 21.43%
 17 所沢北・理 20.69%
 18 所沢北   20.12%
 19 ★開智   19.28%
 20 熊谷    17.63%
 21 ★本庄東  15.72%
 22 浦和西   15.50%
 23 川口北   14.35%
 24 越谷南・外 14.29%
 25 ★昌平   13.02%
 26 不動岡・外 12.50%
 27 ★開智未来 12.37%
 28 熊谷西   11.59%
 29 和光国際・外11.54%
 30 ★川越東  9.82%
 31 秩父    8.85%
 32 ★春日部共栄 7.75%
 33 川口市立  7.34%
 34 大宮北   6.76%
 35 ★星野   6.38%
 36 ★西武文理 5.95%
 37 ★独協埼玉 5.88%
 38 越ケ谷   5.59%
 39 ★狭山ヶ丘 5.45%
 40 ★城西川越 5.32%
 41 ★花咲徳栄 4.79%
 42 ★城北埼玉 4.15%
  3%台以下は割愛。

【女子】
 01 大宮    34.30%
 02 大宮・理  30.77%
 03 浦和一女  26.12%
 04 不動岡   25.26%
 05 川越女子  21.76%
 06 越谷北・理 21.05%
 07 大宮北・理 20.00%
 08 蕨     17.45%
 09 所沢北・理 16.67%
 10 市立浦和  15.98%
 11 ★栄東   15.79%
 12 ★西武文理 15.63%
 13 熊谷女子  14.33%
 14 浦和西   14.22%
 15 ★開智   13.96%
 16 越谷北   13.25%
 17 ★昌平   12.90%
 18 ★大宮開成 11.81%
 19 ★本庄東  11.24%
 20 所沢北   10.90%
 21 ★浦和明の星 10.59%
 22 ★開智未来 10.00%
 23 不動岡・外 9.68%
 24 蕨・外   9.38%
 25 ★春日部共栄 8.78%
 26 ★淑徳与野 7.65%
 27 ★星野   7.08%
 28 川口北   6.26%
 29 越ケ谷   6.88%
 30 春日部女子 5.80%
 31 熊谷西   5.76%
 32 春日部女子・外 5.00%
 33 大宮北   4.55%
 34 秩父    4.50%
 35 ★花咲徳栄 4.47%
 36 ★独協埼玉 4.23%
 3%台以下は割愛。

 ◆国公立現役進学率が高くなる学校
 国公立現役進学率が高い学校は、
 1 国公立志向が強い
 2 現役志向が強い
 この二つを前提とし、その上で一定の学力(合格に必要な力)を持った生徒が多くなければならない。

 難関国公立(例えば東大など旧帝大や東工・一橋など)なら行ってもいいが、それ以外なら私立難関(例えば早慶など)を選ぶという生徒が多ければ、割合はそれほど高くならない。
 また、ある程度浪人覚悟で難関国公立を目指す生徒が多ければ、割合はそれほど高くならない。
 だから、冒頭述べたように、このランキングは、優劣ではなく、それぞれの学校の傾向として見てもらったほうがいい。

 それにしても、男女とも上位には公立高校が目立つ。
 やはり高校で公立を選ぶ生徒は、大学も国公立を選ぶ傾向が強いのかもしれない。