またもや臨時休校か。大阪府は政府に対して緊急事態宣言の発出を要請した。さて、政府はどう対応するか。
 
 吉村・大阪府知事は「緊急事態宣言を出すかどうかは国の判断になるとは思いますが、人流を抑えていくということを考えると、大型の商業施設であったり、遊興施設、テーマパーク、地下街、大型の映画館であったり、そういったところの休業要請も含めたより強い内容の緊急事態宣言を協議してもらいたいと思います」と述べている。
 なんだ。吉村、お前もか。
 という話は後回しにして、学校にはついては一斉休校は行わない方針のようだ。ただし、部活動は禁止。
 なお、大阪市の松井市長は、宣言が出された場合、「小中学校は原則、オンライン授業にする」と述べている。
 あとは、東京都の動向だ。世の中の空気を読むのに長けた小池都知事がどう動くか、だ。
 東京が動けば、今は慎重姿勢の大野・埼玉県知事も追随せざるを得ない。神奈川県や千葉県も同様だ。首都圏が一体にならなければ効果がない。

 これまでとの違いは、文部科学省が学校は休校にしないという強い姿勢を崩していないところだ。
 ただ、学校を管轄しているのは都道府県であったり、市町村であったりするわけだから(なんだ、俺もか)、最終的には首長の判断となる。

 休校の弊害は授業の遅れや学力低下だけではない。
 それは何とか挽回できる。
 私が現役の立場だったら、そう考えただろう。

 一人一台端末が行き渡ったのだから、オンラインでやればいいだろう。
 そのとおり。
 家庭の通信環境不備とか通信費負担といった障害はあるが、昨年の今頃のような絶望的状況ではない。
 ちょっとぐらい休んだり遅れたりしても何とかなる。

 一番の問題は、休校により授業(=勉強)以外で学校が果たしてきた機能が奪われることだ。
 学校は友達と会うところだ。友達と遊ぶところだ。
 大人だって、さすがに仕事場で遊んだりはしないが、仕事を終えれば居酒屋でワイワイやって、カラオケ行って、旅行に行って、そうやって人間関係を築いているじゃないか。
 
 中には友達なんていらないとか、ネットやSNSで交流すれば十分という子もいるのかもしれないが、ごくごく少数だろう。
 学校の重要な機能は、子供たちの社会性を育てることだ。
 授業はオンラインで代替できても、オンラインで社会性は身につかない。

 この一年、たくさんの先生から話を聞いたが、授業の遅れを心配する声はほとんど聞かれなかった。
 友達が出来ない子がいる。
 みんなで協力して何かを成し遂げたという経験が少なく、仲間意識が育たない。
 よく聞かれたのは子供たちの精神面に関わることだ。

 子供の命を守る。
 当然だ。
 子供だろうが、大人だろうが、老人だろうが、命は全部守るのだ。

 でもね、ただ生きてりゃいいってもんじゃない。
 特に子供の場合は、学力だけじゃなく、心身の成長を促さなければならない。
 これが学校や先生に課せられた使命なのだが、それが果たせなくなるのが、一斉休校、臨時休校だ。
 勉強なんてものは後からどうにでもなる。
 心配すんな。

 われわれの周りにもいるじゃないか。
 「あの人、頭はいいんだけどね・・・」みたいな人。
 そういう人間が大量発生しては困るから、去年のような長期休校や、あれもダメこれも禁止の学校生活には断固反対する。
 大人がやれるだけのことを全部やって、それからだ。