令和3年度(2021年度)埼玉県公立高校入試の平均点が発表された。
 では、各教科の平均点を見てみよう(全日制の結果で、カッコ内左は前年。右は前々年である)。

 ▽国語 68.7点(57.2点 58.3点) 前年比 プラス11.5点↑
 ▽社会 62.6点(55.4点 60.3点) 前年比 プラス 7.2点↑
 ▽数学 62.2点(67.9点 42.3点) 前年比マイナス 5.7点↓
 ▽理科 56.2点(51.1点 44.5点) 前年比 プラス 5.1点↑
 ▽英語 51.4点(52.2点 47.7点) 前年比マイナス 0.8点↓
 ▼数学(学校選択) 56.0点(55.2点 53.5点) 前年比プラス0.8点↑
 ▼英語(学校選択) 61.6点(58.9点 64.3点) 前年比プラス2.7点↑

 ◆史上初、60点台が過半数
 塾の先生方は、すでに塾生の開示点などを収集し、だいたいの見当はつけておられただろう。
 結果は皆さんの予想どおり、かなりの高平均点となった。

 前年からダウンしたのは、数学と英語の2教科のみである。
 ただし、数学は昨年に続き60点台を維持している。
 特に大きく上がったのは国語(+11.5)で、同科としては過去最高である。
 学力検査は5教科中3教科(国・社・数)が60点台、学校選択は2教科中1教科(英語)が60点台であり、全体としては60点台が過半数となった。なお、一昨年、昨年は60点台が1教科ずつだった。
 一昨年は40点台が3教科(社・理・英)あったが、昨年、今年は40点台はなかった。

 公立入試が現在のような1回試験に変わったのは平成24年度入試からである。
 今年(令和3年度)で10回目となる。
 今年を含む10年間で平均点が高かった教科を調べた。

 ◆過去10年間、高平均点ランキング
 1 71.9点 英語(29年度学校選択)
 2 68.7点 国語(令和3年度)
 3 67.9点 数学(令和2年度)
 4 65.6点 国語(25年度)
 5 64.3点 英語(31年度学校選択)
 6 64.0点 国語(26年度)
 7 63.7点 社会(28年度)
 8 63.4点 理科(25年度)
  9 62.6点 社会(令和3年度)
 10 62.2点 数学(令和3年度)
 11 61.6点 英語(令和3年度学校選択)

 以上のように高平均点のほぼ半数が今年(令和3年度)と昨年(令和2年度)で占められている。

◆平均点だけでは分からないことがある
 前述したように、この2年間、40点台の教科がない。その意味で、「取り組み易い問題を増やす」という平成29年度以来の目標が実現に向かっているように見える。
 ただ、今年度を見ても最高の国語(68.7)と最低の英語(51.4)の間に17.3点の開きがあり、これを調整できるかどうかが今後の課題となるだろう。

 塾の先生方は先刻ご承知のとおり、平均点から分かることには限りがある。
 この後、7月上旬までには発表されるであろう小問ごと正答率(通過率)、度数分布、標準偏差等も見てみないとより正確なところは分からない。

 受験生たちが今回の平均点発表を見て、「入試が易しくなった」と誤解しないように注意しなければならない。
 塾の先生方には釈迦に説法だが、平均点が上がったのは、みんなが出来た結果なのか、上位層が大きく引き上げた結果なのかはまだ分からない。

 昨年度から数学(学力検査)で独立小問を扱う大問1の配点が増加した。これによって幅広い単元からの出題が可能になった。理科でも、独立小問を扱う大問1の配点が増加した(問題数は同じ)。国語の作文の配点も減じられ、他に振り分けられた。
 こうした変化から見えてくることは、「幅広い分野・単元から」、「基礎・基本問題を数多く」出題するという方向性だ。

 苦手教科・苦手分野・苦手単元のある人は不利
 基礎基本が出来ていない人は不利
 正確な知識・技術を持っていない人は不利
 ケアレスミスが多い人は不利

 受験生をおどかすつもりはないが、平均点上昇について誤った受け取り方をしないように、少し厳しめの指導をしておいたほうがよさそうだ。

 本記事の元データはコチラ。
 令和3年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施状況(県教委、4月22日発表)