本日は埼玉県公立高校入試、専門高校・専門学科に関するまとめ情報である。
 この方面に関心を寄せてくださる方はごく少数だと思うが、誰か一人くらいは書き残しておかないと。

 では、各校・各科倍率情報。
◆農業
 6校18学科があり、全体倍率は0.81倍(前年同期0.97倍)。
 定員に達しているのは次の4校7科である。

 秩父農工科学・農業  1.15倍
 鳩ヶ谷・園芸デザイン 1.13倍
 熊谷農業・食品科学  1.10倍
 杉戸農業・食品流通  1.10倍
 杉戸農業・生活技術  1.10倍
 杉戸農業・生物生産技術1.03倍
 杉戸農業・園芸    1.03倍

 校名に農業を冠するのは熊谷農業と杉戸農業の2校であり、その名のとおり農業関係学科のみで構成されている。
 杉戸農業は6学科中4科で1倍を超えている(各科とも40人募集)。
 熊谷農業は1倍超えは4学科中1科だが、2クラス80人募集の生物生産工学が希望者72人で0.91倍、同じく生物生産技術が希望者60人で0.75倍と一定の人気を集めている。

 生物生産技術と生物生産工学は名称が似ていて分かりにくい。多くの人がイメージするであろう農業生産(作物栽培)を学ぶのは「技術」の方である。「工学」の方はバイオテクノロジー(発酵や微生物)などを学ぶ。
 つまり、「生物生産技術=農業科」、「生物生産工学=バイオテクノロジー科」といったイメージ。ただ、牛などの動物の飼育は熊谷農業は「工学」、杉戸農業は「技術」に含まれている。

◆工業
 13校45学科あり、全体倍率は0.89倍(前年同期0.89倍)
 定員に達しているのは次の10校17科である。
 ※印は80人募集、無印は40人募集

 新座総合技術・デザイン1.43倍
 川越工業・デザイン  1.28倍
 川越工業・電気    1.28倍
 熊谷工業・情報技術  1.28倍
 春日部工業・電気   1.18倍※
 新座総合技術・情報技術1.13倍
 春日部工業・建築   1.10倍※
 久喜工業・機械    1.09倍※
 川越工業・建築    1.08倍
 熊谷工業・電気    1.08倍
 越谷総合技術・電子機械1.08倍
 大宮工業・建築    1.05倍※
 久喜工業・情報技術  1.05倍
 川口工業・電気    1.04倍※
 越谷総合技術・情報技術1.03倍
 狭山工業・機械    1.00倍※
 三郷工業技術・電気  1.00倍
 
 学校別では、川越工業が5学科中3科、春日部工業が3学科中2科、熊谷工業と久喜工業が5学科中2科と、複数学科で1倍を超えている。越谷総合技術と新座総合技術は他の系統の専門学科との複合型だが工業関係は共に2学科で1倍超え。

 人気の高いデザイン科は工業というより芸術(美術)や家庭(服飾)に近い内容で、女子人気が高い。

 建築科は東西南北1校ずつ計4校にあるが、大宮工業、春日部工業、川越工業が1倍超え。定員を割っているのは熊谷工業のみ(40人募集で36人、0.90倍)なのでまずますの人気だ。

 電気科は10校にある(進修館と秩父農工科学の電気システム含む)。1倍を超えているのは川越工業、春日部工業、熊谷工業、川口工業、三郷工業技術の5校。半数に達しているのでまずまずの人気だ。中で春日部工業が80人募集で1.18倍と好調だ。2年連続で電験三種合格者を輩出している点なども評価されたか。

 機械科は電気科と並ぶ伝統学科で工業高校には必ずある学科だ。1倍超えは久喜工業と狭山工業のみだが、大宮工業0.79倍、春日部工業0.87倍、川口工業0.91倍、川越工業0.97倍、熊谷工業0.73倍、三郷工業技術0.79倍と、一定の人気は保っている。
 
 情報技術科は5校にあるが、そのうち久喜工業、熊谷工業、越谷総合技術、新座総合技術の4校で1倍を超えており、工業高校における人気学科となっている。

◆商業
 15校27学科あり、全体倍率は0.94倍(前年同期1.07倍)
 定員に達しているのは8校11学科である。

 市立川越・国際経済 1.59倍
 市立川越・情報処理 1.56倍
 上尾・商業     1.38倍
 狭山経済・情報処理 1.13倍
 鳩ヶ谷・情報処理  1.09倍  
 狭山経済・流通経済 1.08倍
 深谷商業・会計   1.08倍
 浦和商業・情報処理 1.04倍
 深谷商業・商業   1.04倍
 鴻巣・商業     1.03倍
 新座総合技術・総合ビジネス1.03倍

 商業系学科のある15校のうち、上尾、鴻巣・鳩ヶ谷、八潮南、市立川越の5校は普通科併設であり、越谷総合技術、新座総合技術、羽生実業の3校は他の分野の専門学科併設である。
 商業のみの学校は、岩槻商業、浦和商業、大宮商業、熊谷商業、狭山経済、所沢商業、深谷商業の7校である。このうち狭山経済と深谷商業は3学科中2科で1倍を超えている。
 定員にはとどいていないが、200人募集の浦和商業・商業が0.83倍、同・大宮商業・商業が0.91倍、同・熊谷商業・総合ビジネスが0.85倍と一定の人気は保っている。

 以上、本日は農業、工業、商業の伝統的な職業系専門高校・専門学科についてまとめてみた。