夕方6時。浦和ではみぞれが降り始めた。夜半には雪という予想だったが、めずらしくその通りとなりそうだ。
 明日、埼玉県公立高校では6日の合格発表(入学許可候補者発表)を控え選抜会議が行われる。
 そのため在校生は学校休みとなる。
 大雪になった場合、私立高校の生徒は影響を受けそうだが、公立の方はその心配はない。

 話変わって令和7年度予算。
 衆議院を通過したが、少数与党ということで野党との駆け引きがあり、当初予算が修正された。
 当初予算の修正は1996年橋本龍太郎内閣の時以来29年ぶりということだ。
 参議院は自公で過半数を確保しているので年度内に成立する見込みだという。

 今国会では高校授業料無償化が大きな話題となった。
 話題、と言うより与野党の駆け引き材料となった。
 理念はそっちのけであるから、目先の利益は得られても、今後さまざまな問題が発生することになるだろう。

 無償化の中身を改めて整理してみる。
 1 2025年4月から公立・私立を問わず年間11万8800円の就学支援金を支給する。その際、これまであった所得制限を撤廃する。
 2 来年(2026年)4月から私立高校を対象に加算されている就学支援金の上限額の所得制限を撤廃し、私立の全国平均の授業料である45万7000円に引き上げる。
 3 上記にあわせて、低中所得世帯を対象に教材の費用などを支援する「奨学給付金」や、私立の無償化の影響を受ける公立の工業や農業など専門高校の施設整備の支援を拡充する。

 この結果予想されるのが、第一に公立高校の志願者数の低下である。
 先行して授業料の無償化を進めている大阪や東京では、すでにそうした現象が出ている。
 私立高校の数が少ない地方は別だが、私立高校数が多い都市部では同様の現象が起きるだろう。
 全国的に高校の統廃合が進んでいるが、公立人気が低下すれば(定員割れ校が増えれば)、さらに加速するだろう。

 授業料を値上げする私立高校が多いだろう。
 保護者負担が増えるわけではないので値上げしやすい。

 今回、まったく議論されていないのが、教育の質をいかに高めるかである。
 教育の中身をどう充実させて行くかである。

 授業料はタダになったが、校舎は古く、施設設備が不十分で、教員の質は低い。
 仮にこのような状態であったとしたら、子供たちや親が受けるメリットとは一体なんなのか。
 いずれにせよ、決まってしまったことであるから、これを踏まえた募集活動や広報活動の在り方を提案して行くしかない。