少し古めのネタである。
 文部科学省が行っている全国学力・学習状況調査。
 短縮すると「全国学力テスト」または「全国学テ」。

 テストの部分に注目が集まりがちだ。
 主たる目的はそこだろうからそれは構わない。
 だが、質問紙法、つまりはアンケートにより学習状況などについても調べており、これはこれで有用であるし、面白い。

令和7年度全国学力・学習状況調査 報告書 質問調査【速報版】(令和7年7月 文部科学省・国立教育政策研究所)

◆学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか
 「学習塾の先生や家庭教師の先生に教わっていますか(オンライン授業の場合も含む)」という質問がある。
 回答の選択肢は6つ
 ①教わっていない
 ②学校の勉強より進んだ内容や、難しい内容を教わっている
 ③学校の勉強でよく分からなかった内容を教わっている
 ④②、③の両方の内容を教わっている
 ⑤②、③のどちらとも言えない
 ⑥その他、無回答

 中学生の場合だと「①教わっていない」が40.1%。小学生だと55.5%。
 前回及び過去とそれほど大きな傾向変化はない。
 ただ、「①教わっていない」が微妙に減っているのが気にかかる。

 「①教わっていない」の割合変化(中学生)
 27年度 39.2%
 28年度 39.2%
 29年度 38.7%
 03年度 36.6%
 05年度 39.4%
 07年度 40.1%

 児童生徒の数が減る中で、「①教わっていない」の割合が増えるのは塾業界としては好ましい傾向ではない。
 が、考えようでは未開拓ゾーンが残っているということでもある。

◆新聞を読んでいますか
 活字媒体・印刷媒体に関わっている身としては気になる質問である。

 「ほとんど、または、全く読まない」
 中学生 81.8%
 小学生 77.6%

 平成27年度調査では「ほとんど、または、全く読まない」は中学生61.5%、小学生54.0%だったから10年間で20%以上増加したわけである。
 新聞の将来は暗い。

 他にもさまざまな質問があり経年変化も確かめられる。
 時間のある時に目を通すことをお勧めする。