さよならも、ありがとうも言えずにお別れなんて悲しすぎるじゃないか。やむを得ず卒業式を中止した学校も多いが、どんな形であれ、生徒のためにも、保護者のためにもやってあげたい。
 ということで、なぜか今日、見ず知らずの公立学校教職員から二人も相談があったよ。偶然だね。
 「出席できない保護者のために動画配信したいんですが、どうしたらいいですか?」

 1 動画を撮影し、YouTubeで流す(限定配信も可)
 2 臨場感を出したければ、同じくYouTubeのライブ配信(これも限定配信可)
 必要な機材は、カメラ(ビデオカメラでも一眼レフカメラでも、何ならスマホでも)、できれば外部マイク、編集用にパソコン。
 YouTubeはGoogleのサービスなので、Googleアカウントは必要。あと、ライブ配信なら「OBS Studio」という無料ソフト。
 いずれにしても金はかからない。

 この際、素人作りでいいと思う。時間をかけていいものをというなら、式典撮影には実績のあるわが社が請け負うけど、むしろ先生手作りの方が、今の状況では気持ちが伝わる。
 ササっと撮って、すぐに出す。

 今日卒業式があった春日部共栄のHPには、さっそく校長式辞がアップされていた。式典に先立っての中に、「このような形で卒業式を行わなければならないことは、誠に申し訳なく、残念でなりません。ただ、このような中での卒業式であるから、なおのこと、ここにいる3学年の教員はもちろん、全教職員の卒業生を祝福する気持ち、門出を祝う気持ちは例年にも増して強いものがあります」とある。その通り。

 同じく今日が卒業式で、クラスごとに実施した昌平のHPには50枚以上の写真がアップされていた。最初からその予定で撮りまくったのだろう。

 また、すでに終えた大宮開成のHPには、時間の関係で割愛された来賓祝辞が掲載されていた。なかなか気が利いているじゃないか。それと、祝う会で流す予定だった先生手作りの卒業記念動画も見られるようになっている。心温まるね。
(※学校名をクリックまたはタップしてもらうと当該ページに飛びます)
 
 出席が叶わなかった保護者や来賓や下級生のために、この異常事態の中でも何かやらずにはいられない。いいぞ先生魂。
 
 これから変則卒業式を迎えられる学校の先生方。今こそ教員根性を丸出しにしていただきたい。
 ただし、くれぐれも無理はしないように。
 ここは他校との競争の場面ではない。
 皆さんが育ててきた卒業生たちと、いつも応援してくれた保護者の皆さんに思いを伝えることが大事なのだ。