ICT教育が一段と加速。今年はそういう年になるかもしれない。ここ数年でICTの活用は大いに進んだが、まさか今日のような非常時を想定して導入した人はいないだろうね。
 さまざまなコミュニケーションツールや学習支援ツールが1か月以上に及ぶ異例の事態の中で結構役に立ったと思われるが、そこまでを想定した上での導入だったとしたら、考えついた人は天才だ。
 
 当然だが私の想像力は、平時を超えることはなかった。
 つまり、日々の授業や家庭学習の中でどう活用するかの一点に集中していた。ところが、意外なところにICTの活躍の場があったのである。
 交通や通信が完全に遮断されたわけではないという前提だが、電話で生徒の様子を確認するしかない学校がある一方、遠隔授業までやってみせた学校もあるわけである。

 ICT教育を進めるにはタブレットなどの端末が不可欠なわけだが、こうした機器の導入は保護者の負担を増加させるから、それがネックになっている学校も多いだろう。だが、今のこの状況なら平時より理解が得られやすいと思われる。言い方は不適切かもしれないが、お願いするなら今だ。ICT消極派の先生方の説得も同様だ。

 聞くところでは、塾の先生方の中にも、初めて動画配信に挑戦したとか、Skypeでの授業を試みたとかいう方もおられるようだ。
 普段なら、思いついても実行には移せない多くのことが、状況に後押しされて実現してしまう。
 で、「なんだ。やればできるじゃないか」となり、結果として自身のスキル向上につながる。

 予期せぬ長い休日。そして混乱。これをどう乗り越えたか。
 それも学校や塾に対する一つの評価ではあるが、ここで何を学び、次の飛躍につなげたかが真の評価というものだろう。
 
 転んでもただは起きぬ。
 私も学校関係の仕事がメインであるから、今回のコロナ禍の影響を大いに受けているわけだが、弱ってばかりはいられない。この経験を飛躍のきっかけにしなければ。
 えっ、その年で今さら飛躍?
 ああ、そうだよ。いつも言ってるだろう。自力で生きる年寄りが一人でも多くいたほうが、若い人の負担が減るんだよ。