新型コロナで改めて気づかされたのは情報受信の重要性だ。
 私はどちらかというと情報を発信する立場にいるわけだが、発信の元になっているのは受信である。
 だが、新型コロナの影響で人と会うことが極端に減ったので、材料が入ってこない。
 材料の仕入れができないから、仕方なく在庫で何とかやり繰りする。
 これが今年前半から中盤にかけての実情だ。

 今の時代、ネットでいくらでも情報収集はできる。
 だが、それらはどこまで行っても他人を介した二次情報だ。
 客観的報道と言っても、そもそも取材するかどうかという時点で主観が入り、さらにそれを記事化して発表するかどうかにも主観が入る。
 まあ主観は主観でいいとも言えるが、どこの誰だか分からない人の主観をどう受け止めればいいのか。

 最近になって、ようやく学校にも出入りできるようになったし、人にも会えるようになった。
 さあ、これからだ。

 ところで、学校の先生方。
 情報の受信力ということを意識されているか。
 私は思う。発信力の差は受信力から生じるのではないか。

 あえて時代に逆行するようなことを言うが、どんなにオンラインが便利でも、やはり現場の「生の声」というやつを集めたほうが勝ちだ。
 時々、公立中学校の先生から入試に関する(特に私立入試)トンデモ発言が飛び出し、受験生を困惑させているが、これなども学校から一歩も出ず(出られずと言うべきか)、マスコミやネット情報を鵜呑みにしていることが原因だろう。

 受信力が弱いと誤った発信をしてしまう。
 受信とは材料の仕入れだ。良い材料を仕入れないで、どうして良い商品を作れるだろうか。

 私は最近二度にわたり、私立入試の真っただ中に説明会を設定する公立はどうなのかという話を書いた。
 入試は公立入試と私立入試で成り立っている。
 受験生は両方の対策を迫られている。
 そんなことは塾の先生や私立の先生にとってイロハのイの字なのだが、公立の先生の頭にはそのイの字が入っていない。

 公立の説明会のほとんどは土曜日開催だ。
 元公立教員として事情は分からなくはないが、今年は中学校も授業の遅れをばん回するため土曜授業を行っている。
 行きたくても行けないことがある。

 その分、WEBサイトでとか、オンラインでというが、私が聞いている限りでは、実際に学校に行ってみたい、直接会って話が聞きたいというのが受験生・保護者の声だ。
 そういう現場の生の声を承知していて、それでも諸般の事情でこれしかできないというなら、致し方ない。

 だが、「えっ、1月23日って私立入試だったんですか?」というアンテナの低さでは話にならない。
 まあ、本ブログ読者である公立の先生方は心配ないが、公立の先生方にはもうちょと情報受信力を磨いて欲しいものだ。

 決して秘密とか極秘というわけではないが、会って直接聞かなければ分からないことは多い。
 自分の目で確かめないと分からないことも多い。

 出かけたり、人に会ったりするには気力、体力が必要だ。
 金と時間よりもそっちだ。

 正直言って、年を取った私には辛いものがあるが、受信あっての発信であることをもう一度肝に銘じて活動しよう。