進学結果の粉飾はいかんね。政治家・官僚・企業・芸能人を次々に血祭りにあげてきた文春が今度はN高等学校を取り上げた。
文春オンラインの記事がコチラ。
浪人を進学に 生徒数日本一「N高等学校」が進学率を“粉飾”していた 【内部資料入手】
内部告発と言うほど大げさなものではないが、内部の人間が漏らしたのだろう。
スキャンダル記事には、すべて内部に協力者や情報提供者がいる。
問題になったのは、浪人を専門学校等に含めて統計を出している点だ。
〇〇予備校に進学しました、というわけか。
うーん、これは確かに珍解釈というか迷解釈だ。
従来からある全日制高校の先生からは出てこない発想だ。
ちなみに国や都道府県が進路状況の統計を出す際は「進学準備中の者」という項目があって、予備校に行こうが自宅浪人だろうが関係なく浪人はそこに含まれる。
また、各公私立高校がHPやパンフレットで発表する場合は「大学」「短大」「専門学校」「就職」等があって、浪人は「その他」だろう。
「浪人」という分類を設けている学校はあまりない。
浪人というのは通俗的な言い方であって、オフィシャルな発表にはなじまないから、それでいいだろう。
「その他」では漠然とし過ぎていると思うなら、「進学準備」で分かるだろう。
専門学校に含めるのは無し。
で、さっきN高校のHPを見たら、どうやら修正を加えたらしく、新たに「浪人」という分類が加わっていた。
いや、だからそこまではっきり言わなくていいんだよ。
「進路未定」とか「その他」、ないしは「進学準備」でいい。
まあ、指摘を受けた後だから、どうだ、これで文句あるかというんで入れたんだと思うが。
N高校ネタはここまで。
ここからは、特に進学校を自他共に認めている学校の場合、または進学実績を売りにしたい学校の場合だ。
塾を含めてもいいかもしれない。
実績をよく見せたい。
伸びているイメージを出したい。
これはまあ、自然な感情であって、誰にでも、どの学校にもあるものだ。
そこは大目に見てあげよう。
ただ、データの改ざんはいかんよ。
これは、ほとんど犯罪行為だ。
下手したら詐欺罪に問われるぞ。
例えて言うなら、化粧は許すが整形はいかんよ。
おっと待った、この例えは良くないな。
整形を否定しているように聞こえる。
次までに他の例えを考えておく。
要は数字を改ざんしてはいけないよということだ。
ここで話は飛ぶが、進路実績情報には2種類ある。
1 学校側が知って欲しい情報
2 受験生・保護者が知りたい情報
進路・進学情報に限ったことではないが、発信者側と受信者側の思惑はしばしばすれ違う。
発信者側「ここはあまり知られたくない」。
それに対し、
受信者側「そこが一番知りたい」
発信者側「ここを知って欲しい」
それに対し、
受信者「そこはどうでもいい」
このあたり、広報担当者のセンスが問われる場面だ。
知りたいことを知れず、どうでもいいことばかり知らされたらストレスがたまるし、ひいては不信感につながる。
N高校の例に戻れば、N高校志望者層にとって、進学実績は「そこはどうでもいい」ではないかと想像する。
「どうでもいい」は言い過ぎかもしれないが、最優先事項ではないと思う。
将来は分からないが、今のところ全日制高校を進学実績で選ぶ人はいても、通信制高校を進学実績で選ぶ人はいない。または少ない。
学校側が、これは志望者側にとって「どうでもいいこと」だと判断できれば、何も無理して良く見せる必要はなく、ありのままで何の問題もない。
それによって志望者が減ることはない。
粉飾はけしからん。
その通りだが、広報・広告担当者の勘違い、あるいは判断ミスという視点から考えてみた。
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