ちょっと面白いネタがあったのでご紹介。
 東京工業大学と東京医科歯科大学の統合に関するニュースである。
 大学のことは専門外と言っていいが、経緯がなかなか面白い。

 今日(8日)午前中、報道各社は次のようなニュースを配信した。
 東工大と医科歯科大 近く統合に向けた協議開始へ(NHK)
 東京医科歯科大と東工大が統合へ…「医工連携」で研究や収益力強化(読売新聞)
 切りがないのでテレビ1社、新聞1社にとどめたが、共同通信・時事通信なども含め大手マスコミが揃って伝えている。

 この種の記事、つまり事件や事故ではない記事が一斉に出るのは、通常は記者会見・記者発表があった場合だ。
 しかし今回、後で述べるがそれはない。
 「関係者への取材でわかった」という書き方になっている。
 つまり、大学関係者がマスコミにリークしたということになる。
 1社だけに漏らし、それを特ダネとして流すのが普通ではないかと思うが、今回は各社一斉だ。

 これに対し大学側の取った措置は、
 一部報道について(東京工業大学)
 
 一部報道について(東京医科歯科大学)
 
 両大学とも「8月8日より一部報道機関において、東京工業大学と東京医科歯科大学の統合に関する報道がなされておりますが、本学が発表したものではございません」と発表しているのである。

 ここまで大々的にマスコミに取り上げられて、それを当事者である大学が否定?するのも珍しい。
 週刊誌やタブロイド紙じゃなく、大手マスコミがこそって報じているのに。

 ただ、大学側の言い方は微妙だ。
 「そのような事実はございません」と内容について否定しているわけではない。
 「本学が発表したものではございません」、つまり正式に大学として記者発表・記者会見などして公表したものではないと言っている。
 おそらく、統合に向けての協議は行われていたのだろう。
 そして、どこかのタイミングで記者会見等する予定だったのだろう。
 それを、内部の何者かが漏らした。

 何か、裏にありそうじゃないか。
 そう邪推してみたくなる。

 以下、ド素人の妄想。
 「反対派によるリーク説」
 各社報道によれば、この統合は、「国際卓越研究大学」の認定を目指すためとされている。
 「国際卓越大学」に認定されると、政府から年間数百億円の支援が受けられる。
 政府は10兆円規模の「大学ファンド」を設立し、年間3000億円の運用益を得る計画だ。
 それを資金として数校を指定し支援する。

 大学の研究力向上、国際競争力の向上のために結構なことではないか。
 そう考えられるが、一方、金を出せば口も出すことになるとも考えられる。
 すると大学の研究の自由が損なわれるのではないかという心配も出て来る。
 
 学問の自由、大学の自治を損なうものであるから、政府の構想そのものに反対。
 そういう声は実際に大学の教授や研究者の間から出ているのだ。
 通称「国際卓越大学法案」は先の国会ですでに成立しているが、これを「稼げる大学法案」として反対していた人々が現にいるのだ。

 さて、そこで。
 企業などの合併劇は、水面下で極秘に進行させるものである。
 途中で表沙汰になると、だいたい失敗する。
 そう考えると、この統合は今回表沙汰になったことで、御破算になる可能性も出て来る。
 反対派の矛先は、「国際卓越大学構想(法案)反対」から「東工大・医科歯科大統合反対」へ向かうだろう。
 御破算にならないまでも失速または難航は避けられない。

 だから、今回の当事者発表以前の報道は、反対派が仕掛けたものではないかと想像しているのである。
 ただ、最初にも述べたように、私自身大学関係の記事を日頃から追っている者ではない。
 推理にも至らない妄想に近いものである。