埼玉県教育委員会は4月23日（水）、令和7年度（2025年度）公立高校の入試の実施状況（平均点含む）を発表した。
　詳細データはこちら。
令和７年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施状況
　
　様々なデータがまとめられているが、今回は平均点（受検者平均）について。
　カッコ内は前年である。

◆理科が大きく上昇

　▽国語　63.4点（58.1点）前年比プラス5.3点
　▽社会　65.6点（65.7点）前年比マイナス0.1点
　▽数学　52.3点（51.7点）前年比プラス0.6点
　▽理科　64.8点（51.6点）前年比プラス13.2点
　▽英語　43.6点（53.4点）前年比マイナス9.8点

　▼数学（学校選択）　44.8点（50.2点）前年比マイナス5.4点
　▼英語（学校選択）　57.0点（54.8点）前年比プラス2.2点

◆過去5年間との比較
　以下は過去5年間との比較である。
　
　▽国語
　2025　　　　63.4点
　2024　　　　58.1点
　2023　　　　57.1点
　2022　　　　62.9点
　2021　　　　68.7点
　2020　　　　57.2点
　
　今年度は3年ぶりに60点台に復帰。

　▽社会
　2025　　　　65.6点
　2024　　　　65.7点
　2023　　　　64.1点
　2022　　　　52.9点
　2021　　　　62.6点
　2020　　　　55.4点
　　
　前年とほぼ変わらず。
　3年連続60点台。
　
　▽数学
　2025　　　　52.3点
　2024　　　　51.7点
　2023　　　　55.8点
　2022　　　　48.0点
　2021　　　　62.2点
　2020　　　　67.9点
　　
　前年より僅かに上昇。
　ここ3年間は50点台前半から中盤で安定。

　▽理科
　2025　　　　64.8点
　2024　　　　51.6点
　2023　　　　58.2点
　2022　　　　52.5点
　2021　　　　56.2点
　2020　　　　51.1点
　　
　前年より13.2点上昇。
　60点台は12年ぶり。

　▽英語
　2025　　　　43.6点
　2024　　　　53.5点
　2023　　　　45.8点
　2022　　　　52.6点
　2021　　　　51.4点
　2020　　　　52.2点
　　
　前年より約10点の大幅下降。
　2年ぶりの40点台。

　▼数学（学校選択）
　2025　　　　44.8点
　2024　　　　50.2点
　2023　　　　50.5点
　2022　　　　42.6点
　2021　　　　56.0点
　2020　　　　55.2点
　　
　3年ぶり40点台。

　▼英語（学校選択）
　2025　　　　57.0点
　2024　　　　54.8点
　2023　　　　56.7点　　　　　　　　　　　
　2022　　　　58.3点
　2021　　　　61.6点
　2020　　　　58.9点
　　
　ここ4年間は50点台後半で安定。

　◆過去10年間、高平均点ランキング
　今年度を含む10年間で平均点が高かった教科は次のとおりである。

　1　71.9点　英語（29年度学校選択）
　2　68.7点　国語（令和3年度）
　3　67.9点　数学（令和2年度）
　4　65.7点　社会（令和6年度）
　5　65.6点　社会（令和7年度）【今回】
　6　64.8点　理科（令和7年度）【今回】
　7　64.3点　英語（31年度学校選択）
　8　64.1点　社会（令和5年度）
　9　63.7点　社会（28年度）
10　63.4点　国語（令和7年度）【今回】
11　62.9点　国語（令和4年度） 　
12　62.6点　社会（令和3年度）
13　62.2点　数学（令和3年度）
14　61.6点　英語（令和3年度学校選択）

　今回60点超えが3教科あったが、これらは歴代トップ10に入る高い平均点である。

◆ほぼ想定の範囲内
　国語は前年並みかやや上昇とみたが、これはほぼ予想通りだった。
　社会も下がる要因となりそうな問題がなかったことから前年並みと予想したが、その通りだった。
　理科は上がる可能性ありとみたが、ここまでの上昇は予想できなかった。

　数学は「学力選択」「学校選択」共に、前年並みと思われたが、「学校選択」の方は予想に反しやや大きく下がった。
　英語も出題内容、形式ともに大きな変化がなかったことから前年並みとみたが、「学校選択」の方はやや上がり、「学力検査」の方は大きく下がった。10点近く下げた要因は何だったのだろうか。

　今回、「学力検査問題」では、最高の社会（65.6点）と最低の英語（43.6点）の間に22.0点の開きがあった。令和4年度の20.3点を上回る大きな開きだ。教科間で平均点に差があるのは仕方ないが、10点～15点差程度に収まってほしいところだ。
　
　県の方から度数分布、標準偏差や小問ごと正答率（通過率）などの発表があるのは7月になる。
　その時点で、上がった要因、下がった要因など、もう少し詳しく考察してみよう。
　取り急ぎ、平均点のみの報告である。