今週火曜日(23日)、「よみうり進学メディア埼玉版6月号(専門高校特集)」の取材で岩槻商業に行ってきた。

◆募集に注力しているが
 昨年秋、塾説明会を開いている。
 岩槻商業公式インスタグラムもやっている。
 と、募集活動については大変熱心なのであるが、7年度募集では商業科、情報処理科ともに一般募集(各80人募集)では定員を充たせず、商業科は37人、情報処理科は17人の欠員補充となったのである。
 もっとも商業高校(商業系学科のみの学校)は、みな募集では苦戦を強いられており、全学科で欠員補充を回避できたのは狭山経済のみである。
 上尾に商業科、市立川越に国際経済科と情報処理科があり、これらは高倍率となっているが、学校そのものの人気である。

 農業や工業も苦戦しているが、商業はそれ以上に厳しい。
 さいたま市には浦和商業、大宮商業、岩槻商業と三つの商業高校があるわけだが、将来を考えたらこんなに要らない。大宮商業と岩槻商業は東武アーバンパークライン(野田線)で2駅しか離れていないので、どっちか一つでいいんじゃないかという声もいずれ出てくるかもしれない。

◆8時過ぎに来られますか?
 学校側から当日は8時過ぎに来て欲しいと要望があった。
 いいよ。
 学校取材では時々あるから。1時間目を見て欲しいというやつ。

 この学校、1時間目は9時始まりだ。
 ほかの学校よりむしろ遅い。
 が、その前に朝のSHRがあり、さらにその前に朝読書の時間がある。この読書タイムから見て欲しいというのが学校側の要望だった。

 朝読書を取り入れている学校はいくつかあると思うが、話だけで滅多に現場を見る機会はないが、たしかにこれは効果がありそうだ。
 本を読んで読解力がつくとか語彙力が高まるとか、そういう効用もあるかもしれないが、集中力を高めるのにいい。脳も活性化しそうだ。

 好きなのを読んで、感想文も書かなくていい。
 読書はこうじゃなきゃ楽しくない。
 この取り組みはなかなかよろしい。早朝から来た甲斐があった。

◆ビジュアル的に地味
 いろいろな授業を少しずつ見て回った。
 同じ専門学科でも農業科とか工業科とかは、誰もが見た目で分かる実習授業があるのだが商業高校にはそれがない。

 おそらく知らない人が見たら普通科と区別がつかないのではないか。
 不肖私は元教員であるから科目名を聞いたり教科書を見たりすれば、「こりゃあ普通科じゃないな」と辛うじて分かるのだが、普通は分からんだろう。
 商業科でも情報処理科でもパソコンを扱っているわけだが、今時そんなのは普通科でもやっている。

 音楽、美術、看護、体育、福祉。
 施設を見たり、実習を見たりすれば、その特色が何となく分かるのだが、商業科はビジュアル(見た目)では分からない。
 このあたりが生徒募集の難しさにつながっているのかもしれない。

 地域連携や高大連携に積極的な学校だが、それらを含め商業科の魅力をどう伝えるか。もうしばらく考えてみよう。

 ついでに。
 大正7年創立と歴史の古い同校は城址に立つ学校だ。
 岩槻城址公園と地続きになっており、校地にも城の名残が見られる。
 田んぼの真ん中にポツンと立っている学校とは一味違う。