昨日(5月29日)、埼玉県教育委員会から、令和9年度公立入試の選抜実施要項・要領と、各校の選抜実施内容が発表された。
 昨年(2025年)12月に「暫定版」という形で発表されており、今回発表されたのは「確定版」である。

「令和9年度入学者選抜実施要項・入学者選抜要領」

「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜実施内容(確定版)」

 これまでの例だと、県の各種発表資料が出揃うのは7月だったが、入試制度が変わるということで、いろいろな資料がかなり前倒しで発表されている。6月に募集人員が発表されるはずだが、それで完了(進路希望調査などは別)。

◆何のための暫定版だったのか
 学校ごとの選抜実施内容については、ほとんどすべての学校が、暫定版と同じ内容だった。
 だが、ほんの数校、暫定版から変更になっている学校があった。

 理屈の上では、暫定版というのは正式なもの(確定版)が出るまでの臨時的なもの、一時的なものという位置づけであるから、確定版において変更があっても構わない。

 が、これは大人の理屈である。
 「暫定(ざんてい)」は、はるか昔、埼玉県公立入試の国語漢字問題(読み)にも出題された単語であるが、その実務的な意味を中学生が理解するのは難しいだろう。
 まあ、先生や親から、「最終決定ではない。もしかしたら変わる可能性もある」とは教えられたかもしれないが、その上で、「でも、たぶんこのままだと思う」と聞かされただろう。

 入試制度が変わるということで、みんな不安に思っているだろう。だから、少しでも早くその中身を知らせてあげよう。
 ということで、これまでも県教委からは面接の方法や自己表現資料の書き方などさまざまな情報が発信されてきた。それで安心できた子もいるだろうし、前向きになれた子もいるだろう。少しずつ準備を始めた子もいるかもしれない。

 そんな中、5か月経っての突然の変更。
 例えば浦和南が暫定版で「学校選択問題なし」となっていたのは、5月以前には公表できないというルール上の問題があったからで、これは仕方ないと思う。
 だが、面接の方法とか、選抜の方法(共通か特色かなど)を変えてしまうのはまずいだろう。それじゃあ早めに公開した意味がなくなるじゃないか。
 繰り返すが、暫定版と確定版が異なっていても構わないというのは、こっちの(学校側の)理屈であって、受験生の気持ちに寄り添ったものとは言えない。