昨日書くのを忘れた。以前に「歴史と伝統をアピールするなら、裏付けデータを載せないと」という記事を書いた。
 その中で、「深谷第一も同じくHPトップに『明治41年(1908年)創立 113年の歴史』と謳っておきながら、それを具体的に説明するページがない」、つまり沿革のページすらないと書いたところ、読者から指摘があって、メニューの「挨拶」を辿るとそこにあることが判明した。
 「挨拶」じゃ分からんだろう。
 そのことを昨日の訪問の際に言ったら、今年着任した安倍逸郎校長も「たしかにそのとおり」と言われていた。

 多くの学校はメニューの最初に「学校概要」があって、その中に「沿革」を置いている。
 たとえば、すぐお隣の深谷商業も、最初に「学校概要」があり、その中に校長の挨拶や、校訓、沿革などを載せている。
 私は「学校概要」という語にも、何となく違和感を持っているが、そこから連想する内容に大きな個人差がないならば、ちょっとお堅い言い方だが、それでも構わないだろう。
 企業の場合だと「会社情報」とか「企業情報」というメニューがあって、そこに「沿革」が載っているケースが多い。あまり「会社概要」という言葉は使われないようだ。

 ということで、深谷第一高校には次にHPを改訂するときは、「挨拶」はやめたほうがいいよと言っておこう。

 それと、「歴史と伝統」の件だ。
 この言葉を使っている学校は意外と多い。
 深谷第一「明治41年 深谷女子実践補習学校の誕生から113年を迎える、歴史と伝統のある県立深谷第一高校」(校長挨拶より)
 深谷商業「本校は県立の商業高校としては県内で最も古い歴史と伝統を誇っており」(同)
 深谷「昭和49年に創立され、今年で47年目を迎える歴史と伝統のある学校」(同)
 何だよ、深谷市内の高校は全部伝統校かよ。

 明治、大正なら分かるが、深谷は昭和49年創立のいわゆる新設校ではないか。
 で、昭和49年で思い出したのが、私のかつての勤務校、川口北だ。
 まさか、伝統校面はしていないだろうな。
 
 ところが。
 川口北「昭和49年に開校し今年度で47年目を迎えました。1万6千人を超える卒業生が築いてきた歴史と伝統の上に、今日の川口北高校があります」
 ありゃりゃ、いつの間にか伝統校になってるよ。
 ブログ読者の中に卒業生もいると思うが、諸君、今や君たちの母校は立派な伝統校だ。

 しかし、こうなるともう一つの勤務校、昭和57年創立の大宮南も心配だ。
 大宮南「これまでに培われてきた伝統を継承するとともに」(同)
 そうか。大宮南、お前もか。

 これは少し考え方を改めなければならない。
 私の中では、歴史と伝統を言うのは明治・大正生まれの学校だけかと思っていたが、昭和の後半に出来た学校も、堂々歴史と伝統を主張しているのだ。

 ついでだから、正真正銘の伝統校、不動岡高校は何といっているか調べてみよう。
 ここが歴史と伝統を謳うことに誰も異論はないだろう。
 不動岡「本校は、明治19(1886)年に創立された最も歴史と伝統のある高校です。「質実剛健」「文武両道」「不撓不屈」「進取の気風」の校訓の下、伝統に根ざした教育を行うとともに、文部科学省からスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)とスーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)の研究指定を受け、新たな時代に対応した先進的な教育活動も実践し、「科学教育と国際理解教育の拠点校として」地域文化へ貢献することを目指しています」(同)
 埼玉最古の高校が、先進的教育をアピールしているところが面白い。

 出来たばかりの学校が、最新、先進、最先端を言うのは当たり前だが、134年の学校が言うからインパクトがある。
 不動岡、分かってるじゃないか。

 ということで学校関係者の皆さん。
 歴史と伝統は、かなり広範囲に使われているので、これだけでは何も言っていないのと同じだ。
 便利な言葉なので使っても構わないが、だったら前回も言ったように裏付けになるような資料や写真を載せたほうがいい。

 そして、歴史と伝統の中身をちゃんと説明したほうがいい。
 何を受け継いできたのか。何が今に生かされているのか。
 歴史と伝統という言葉を、ただ時間が経ちましたという意味で使っているようではダメだ。

 新しい学校には新しい学校の良さがある。
 前例がないから、どんどん新しいことにチャレンジできる。
 それと反対に、古い学校には古い学校の良さがある。
 では、歴史と伝統のある古い学校ならではの良さとは何なのか。

 歴史と伝統を言うなら、そこまで語ってもらおうじゃないか。