我慢の3連休が終わり、今週は試練の4連勤というところか。
 たまに受験生保護者から、今年の入試はどうなるのか、はたして入試は正常に行われるのかといった質問を受ける。
 私にそれを聞かれてもね。
 行政や学校経営の当事者でもないし、政治家でもなければ、感染症の専門家でもない。ただの年寄り。
 よく分からんね。

 ただし、年初以来の経緯や最近の事情を鑑みれば、入試はほぼ予定通り行われるだろう。

 人が大勢集まる場所は多々あるが、その中でも学校はもっとも安全な場所に数えられる。
 小中高は特に安全だ。

 基本、かれらは遠くには出かけない。夜の街にも繰り出さない。飲み会もやらない。
 半径1㎞の狭い世界でちょろちょろ動き回っているだけだ。
 高校生は電車通学もあるが、満員電車が感染リスクということにはなっていない。
 学校側もうるさくマスク着用、手洗いを言い、かれらは素直に従っている。
 検温もするし、フェイスシールドやアクリル板を用意するなど、過剰とも言える対策をとっている。

 そして、何よりもかれらは感染しにくい。
 10代及び10代未満の死者は未だにゼロだ。

 といったことを総合すれば、「危険だから入試は中止(延期)」とはならないと考えるのが妥当だろう。

 今にして思えば、学校の臨時休業、あれは何だったのかと思う。
 ただし、あの頃はまだ分からないことが多かったという事情はある。
 本当は分かっていたのかもしれないが、とにかく「困った、弱った」と言いながら、みんな受け入れた。
 しかし、臨時休業の代償は予想以上に大きかった。
 もうこれ以上の混乱はゴメンだ。
 学校はこのままで行こう。
 これが本音。これが暗黙の了解事項。

 最近の議論は、GoToキャンペーンに集中している。
 これはある意味、幸いなことだ。
 トラベルやイートが中止になったり、縮小になったりすれば、その犠牲になる人々が出てくるのは分かっているが、矛先がそっちに向いている間は学校や入試・受験は話題にならない。
 一部マスコミや一部政治家が、変なことを言い出さない限り、このままだ。
 
 というわけだから、多少変則的な運営になったとしても入試は、基本予定通りだ。
 それよりも、前にも指摘したように、空前の格差入試になるかもしれないという点を心配したほうがいい。
 地域や学校による進度の違い、授業時間の差、休校期間3か月の学校対応の違い、個人の取り組みの差。
 こういったものが、例年以上に現れるのが今年の入試だ。