明日は、埼玉県公私立高校の生徒募集「秋の陣」1日目である。
 個人調べだが、11日は公私立合わせてのべ61校、翌12日(日)も含めればのべ68校が何らかの募集イベントを開催する。

 ちなみに翌週18日(土)は54校、19日(日)は15校で合わせて69校。
 翌々週25日(土)は37校、26日(日)は12校で合わせて49校。

 ということで、今週末及び来週末が受験生にとっても学校側にとっても天王山である。
 と、以前に書いた。
 第1回進路希望調査の結果が発表され、具体的な倍率が出た段階での初の説明会。
 受験生・保護者側の真剣さはこれまでとは比較にならない。

 いまだに「志望校を選ぶ」という段階にとどまっている受験生もいるが、真面目な受験生は「受験校を決める」つもりでやって来ているのがこれまでとの違いだろう。
 とすれば、高校側に求められるのは選ぶための材料を提供するのではなく、決めるための材料を提供することである。
 決めたいけど不安がある。
 どっちがいいか決められない。
 この不安や迷いを払拭してやらなければ、ここで説明会を開く意味はない。

 今までもこの時期の説明会を数多く見学してきたが、中には「よく考えて、自分に合った学校を選んでください」などと言っている学校がある。
 お客がキャッシュやクレジットカード持参し、その場で買う気で来ているのに、よその店も見てみろと言っているようなものだ。
 この場で決めろとは言えないが、「決めたい」と思っている受験生を後押ししてやる言葉が必要だ。

◆産業教育フェアに行く
 そんな大事な場面であるから、どこかの学校に見学に行きたいところだが、私には明日、もう一つ大事なミッションがある。
 埼玉県産業教育フェアの見学及び取材だ。

 専門高校によるフェスティバル 第33回埼玉県産業教育フェア(県教委ホームページ)

 生徒募集とは関係のないイベントだが、専門高校フリーク(またはマニア、オタク)の私としては見逃せないイベントだ。

 高校入試関連の情報発信に関わる身として当然と思うが、普通科だけでなく専門学科についての知見も深めなければならない。
 偏差値や大学合格実績に精通することも商売的にはきわめて重要であるが、おそらくそれは塾の先生方の方が詳しいだろう。
 だから、そこは他の方々に任せよう。

 私の任務は、専門高校や専門学科、あるいは普通科でも中堅以下校の情報を集め、それを広めることだ。
 ニッチ市場であるが、そこを究めようとする人間がいてもいいだろう。
 
 「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」
 天台宗開祖・伝教大師最澄が「山家学生式(さんげがくしょうしき)」の中で、このように述べておられる。
 
 一人ひとりが、それぞれの持ち場で全力を尽くすことによって、社会全体が明るく照らされていく。
 それぞれの立場で精一杯努力する人はみんな、何者にも代えがたい大事な国の宝だ。
 と、そんな意味か。

 専門高校や専門学科に学ぶ生徒たちは、己の選んだ道で知識を深め技を磨き、己の幸せを求めるとともに社会の光となろうとしている。
 正しく国の宝である。
 
 フェアの模様は明日報告する予定である。