昨日の訪問校のことを書いておこう。
「よみうり進学メディア埼玉版6月専門学科特集」の取材で誠和福祉高校に行ってきた。
学校住所は羽生市神戸(ごうど)である。
羽生市は人口5万3千人ほどの町だが、羽生第一・羽生(定時制)・羽生実業・誠和福祉と県立高校が4校もある。
ただ誠和福祉の前身は不動岡女子高校であり加須市とも被っている。
実際、同校の南門は加須市にある。
南門から左右に体育館や陸上競技場を見ながら進んで行くと小さな川がある。
「会の川」(あいのかわ)である。
ここが加須市と羽生市との市境となっており、教室棟は羽生市にある。
学科は福祉科と総合学科の二学科体制。
福祉科は県内でただ一つの学科である。
全国都道府県に福祉科や介護福祉科を擁する学校はあるが、校名に「福祉」と付いている学校は数少ない。
茨城県立古河二高校に福祉科、栃木県立矢板高校に介護福祉科、神奈川県立横須賀南高校に福祉科など関東だけでも福祉関係専門学科を擁する学校は十数校あるが、普通科や他の専門学科もあるため校名に「福祉」は付いていない。
◆募集では苦戦中だが
福祉高校とは分かりやすいネーミングであるが、生徒募集面ではマイナスになっている可能性もある。
同校は福祉科、総合学科ともに80人(2クラス)募集だ。
学検当日の受検者数は福祉科が21人、総合学科が32人で、定員には遠く及ばない。
そもそも第1回調査時点でも福祉科は15人、総合学科は30人しか希望者がいなかった。
総合学科の方はどもかく、福祉科の80人(2クラス)募集は、相当に荷が重い。
ただ、結果的には超少人数教育が実現するわけで、実習の多い専門学科としては好都合だ。
「介護福祉士国家試験2年連続合格率100%達成」を強力にアピールしているが、一人ひとりに手厚い指導がなされるから当然と言えば当然だろう。
ある意味特別な分野であり、個人の向き不向きもあるだろうから、変に無理して定員を集めようとか倍率を出そうとか考えないほうがいい。
が、そうは言ってもあまり少ないと部活や行事なども含め学校生活に盛り上がりを欠くから、もう少し仲間を増やしたい。
◆3Kから新3Kへ
介護職についてよく言われる「3K」。
きつい・汚い・危険。
最近は「給料が安く」、それがために「結婚できない」から4Kなどと言いだす人もいる始末だ。
しかし、この道に進む人がいなくなったら、この先この国はどうなるのだろう。
介護は「価値」ある仕事、「感謝」される仕事、そして「感動」を得られる仕事。
こちらも3K。
失ってはいけない学科、なくしてはいけない学校だ。
2025-05-04 at 19:58
生徒さんと面談をしていると、福祉や看護の道へ進みたいという生徒さんは、最近増えてきているように思います。今の子どもたちは、心優しい子が多いなと感じるのですが、そういった子どもたちだけに、職業に対するイメージがその行く手を阻んでしまっているのかなとも思います。
学校説明会などで生徒・保護者の皆さんに、学びの内容や将来の職業イメージを伝えていくことが大切だと思いますが、中学生の進路をサポートする私たちのような立場にも学校説明会などがあると、福祉の道を志す生徒さんたちへ何か伝えることができるようにも感じます。