埼玉県教育委員会は5月30日、令和8年度入試選抜実施要項・要領及び各高等学校の選抜基準を発表した。
例年7月に発表されるが、調査書の記載方法の変更などがあるため前倒しの発表となったようだ。
令和8年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準
◆「その他の項目の得点」が増加
調査書の得点は、「学習の記録の得点」、「特別活動等の記録の得点」、「その他の項目の得点」で構成される。
このうち最大なのは「学習の記録の得点」で調査書の得点の半分以上を占める。「特別活動等の記録の得点」と「その他の項目の得点」の合計が「学習の記録の得点」を上回ってはいけないので当然そのようになる。
現在の中学2年生が対象となる令和9年度入試からは、部活動の実績などは調査書の記載事項から消えることになっている。
現在の中学3年生が対象となる令和8年度入試では、部活動の実績などは調査書に記載される。
ただし、その記載場所は、「特別活動の記録」の部分から「その他の項目」の部分に移る。
そこで今回、各校は、「特別活動の記録の得点」を減らし、その分を「その他の項目の得点」に加えている。
必ずしもそうなっていない学校もあるが、ほとんどの学校がそのような変更を行っている。
(例)上尾高校・普通科
▽昨年(令和7年度入試)
学習の記録の得点 180点
特別活動の記録の得点 120点
その他の項目の得点 20点
合計 320点
▽今年(令和8年度入試)
学習の記録の得点 180点
特別活動の記録の得点 20点
その他の項目の得点 120点
合計 320点
特別活動の記録の得点が120点から20点へと100点減ったが、その他の項目の得点が20点から120点へと100点増えており、学習の記録の得点を含めた合計点としては変っていない。
得点の大小は異なるが、ほとんどの学校はこのパターンである。
ただ、中には特別活動の記録の得点を減らした分、その他の項目の得点がそれほど増えていない学校もある(川越高校など)。また、所沢北高校のように両者の得点が昨年度までと変わっていない学校もある。
◆大宮科学技術は理数に傾斜配点
令和8年4月に6つの新校が誕生する。
今回、新校として初の入試を迎えるわけだが、どこの学校も概ね前身となる(=母体となる)学校の制度をそのまま引き継いでいる形だ。例えば和光国際であれば、現在の外国語科の入試制度を新しく出来る国際科が引き継いでいる。
そんな中、目をひくのは大宮科学技術だ。
数学と理科は傾斜配点を行い学力検査は700点満点とする。
また、第一次選抜での合格者割合は下限である60%に抑え、残り40%を第二次選抜に回す。もちろんそこでは学力検査対調査書の割合を7:3とする。これは上位進学校が採用している選抜パターンである。
大宮科学技術高校がどんな学校づくりを目指しているかが選抜方法にもよく現れている。
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