今日は学校ホームページのグローバルメニューについて考えてみる。

◆グローバルメニューとは
 グローバルメニューは「グローバルナビ」「ヘッダーメニュー」「メインメニュー」などとも言われる。
 要は、ホームページ上部に表示される主要ページへの案内リンクのことだ。
 ホームページを訪れた人が、迷わず目的の情報に辿り着けるよう案内する。

◆ユーザビリティ(使い勝手)
 スペースに限りがあるので、グローバルメニューに何を配置するかは、慎重に検討したほうがいい。
 ユーザビリティ(お客様の使いやすさ)にまったく配慮がない学校があるのは残念なことである。

 一般的には、お客さんが最もよく閲覧するであろうコンテンツへのリンクをグローバルメニューに配置する。
 あまり多過ぎるのも考えもので、パット見ですぐ分かる5つか7つくらいに集約するといいだろう。
 
 学校サイトの主たる訪問者は、今のところ受験生(及び)保護者と仮定し、説明を続ける。
 訪問者はどんな目的を持ち、どんな情報を知りたくてサイトを訪問するか。
 第一に考えるべきは、そこだ。

 学校として知らせたい情報があるのは当然だが、いわゆる「お客様目線」というフィルターを通すことが必要だ。
 大して興味のないコンテンツをデカデカと載せたり、延々と見せつけられたりすると、ストレスがたまり見る気が失せる可能性がある。
 イメージアップのつもりが、イメージダウンになってしまう場合もあるので、自分本位(学校本位)でなく、お客様(受験生)本位で考えるべきだ。

◆部活顧問による学校サイト私物化問題
 新着情報で、日々のニュースを発信している学校は多い。
 と言うか、それをやっていない学校は無いと言っていいだろう。
 
 新着情報が部活情報ばかりという学校がある。
 わが校は部活中心の学校であるとアピールしたいのなら、それでいい。

 だが、どんな授業が行われているかを知りたい受験生もいるだろう。
 勉強について行けるかどうか不安に思っている受験生もいるだろう。
 頭髪や服装・持ち物など生活指導の厳しさや自由度が知りたい受験生もいるだろう。
 みんながみんな部活に興味を持っているわけではないのに、部活情報ばかりでは選びようがないではないか。
 

 何も部活情報が一切不要と言っているわけではない。
 部活が生徒募集の重要なファクターとなっている学校があるのは十分承知している。
 だから、県大会で優勝した、全国大会に出場した、世界大会に出場したというなら、学校を挙げて応援すべきだし、活躍した生徒を称賛すべきだろう。

 私が言っているのは、練習試合に勝ったとか負けたとか、そういった類の情報だ。
 そういうのは、部活単位のSNSでやれば十分だ。
 部活や部活顧問の「学校サイト私物化」は厳に慎むべきである。

 なお、私が折衷案として推奨しているのは、一般情報(学校情報)と部活情報を切り分けることだ。
 現にそうしている学校も多い。

◆入口がないと中に入れない
 グローバルメニューから話が逸れたので戻す。

 グローバルメニューの構成を考えたとき、目的別メニューのほか、対象者別メニューがあったほうがいい。
 対象者別メニューの典型的な例は「中学生(受験生)の皆さんへ」などである。
 説明会情報やその他入試関連情報はここに集約する。
 まあ、これはどこの学校でもやっていることで、このメニューが無い学校の方が珍しい。

 学校として知らせたい、且つ受験生として知りたいであろう情報は何かと考えたとき、「学校概要」「進路(進学)指導)」などがすぐに浮かぶ。

 「学校概要」はちょっと堅い表現なので「〇〇高校について」としてもいいが、ここに「沿革」「教育方針」など基本情報を集約する。

 「進路(進学)指導」は是非入れておきたいおきたいメニューだ。ここに進学実績しか載っていない学校もあるが、進路指導方針や進路関係行事、あるいは学習指導の方針や内容も含めたいところだ。「進路指導」に関して詳しい学校の一例としては熊谷西がある。
 メインの「進路指導」の下、15項目のサブメニューがある。
 
 あまりにも多く、どこを見たらいいか分からないと思うので、一つだけおススメを紹介しておこう。
 進路シラバス(教師用)
 よくぞ、ここまで作り込んだ。
 唯一残念なのは、これだけのコンテンツがあるにも関わらず、グローバルメニューに「進路指導」がないことだ(サイドメニューにはある)。

 「学校行事」「部活動」は独立したメニューとしている学校もあるが、「スクールライフ」といった形で一つのメニューにまとめている学校も多い。
 
 
 ここまでまとめると「中学生の皆さんへ」「学校概要」「進路指導」「スクールライフ(行事・部活)」と、4つから5つのメニューとなる。
 私立の場合だと学科やコースの説明、公立専門高校であれば学科ごとの説明もメニューに加わるだろう。

 グローバルメニューは情報(コンテンツ)への入口である。
 入口が分からないと中に入ることができない。
 それが原因で、受験生に有益であるはずのコンテンツが眠ったままという場合も多い。
 メニュー構成、その一つ下層のサブメニュー構成をもう一度見直してもらいたい。