知り合い(教育関係者ではない)と秋冬の予定を相談していたら、「秋にコロナの第二波が来るらしいから…」と心配している様子。「えっ、そんなの聞いてないよ」と言ったら、「知らないのか。毎日テレビでやってるぞ。遅れてるな」とあきれられた。
 なるほど。ワイドショーはそっちに舵を切ったのか。テレビを見ていないと、ある種の情報に関しては遅れを取るようだ。テレビが世論をどっちに誘導することによって視聴率を稼ごうとしているか。たまにはチェックしたほうがいいのかもしれない。

 さて、昨日は県内各自治体が小中学校の夏季休業をどのあたりに設定しているかを見てみたわけである。調査は半分にも満たないが、方向性は明らかになった。未調査の自治体もほぼ同じであろう。
 すでにコロナ以前から、8月最終週には2学期を開始している自治体もあるから、7月いっぱいを授業日として、あとは残りの8月3週間を丸々休みにするか、もう1週間授業をやって休みを2週間にするかの二択といったところだろう。

 塾の夏期講習がどうなるのか。
 例年なら連休明けあたりから早くも案内が始まるところだが、今年は時期や実施形態を決めかねている塾が多いだろう。というか、ほとんどだろう。
 1か月以上にわたって学校休みで授業が無い。講習プランの前提はここにあったのだが、今年はこれが崩れた。
 お盆を含む短い2~3週間の夏休みに何とか押し込むのか。または、夜間に組み込むのか。たぶん、これ以外の方法はない。あとは、今回相当に習熟したであろうオンライン授業や映像授業を併用するかだが、あくまでも補助的な手段だ。

 地域が限定された個人塾などは、塾生それぞれの夏休み期間が異なるケースは少ないと思われるが、全県や全国など広域に展開している大手塾の場合は、自治体ごとに夏休み時期が異なるので、講習時期を統一することが難しい。

 しかし、難しいから今年は夏期講習無しというのは、経営的にも考えられない。
 それに、長期休校による学習の遅れが、はたして学校の授業日・授業数増加だけで回復できるのかという不安もある。

 長期休校による進度の遅れと、ふだん以上についてしまったであろう個人間の格差解消・縮小。これは学校の先生だって考えている。当たり前じゃないか。
 ただ一方で、規則で定められた時数を消化するのも学校の使命としてある。ここが面倒なところであるが公立学校として止むを得ない。

 夏休み終了後に、世間や親から巻き起こってくる声は、形式的に進度の遅れは解消・縮小したかもしれないが、実質的には解消・縮小していないという声である。このことは今から予告しておく。
 だから塾への期待はここにある。

 塾に行ける子と行けない子がいて不公平という声は常にあるが、その答えを塾に求められても困る。企業としての社会的責任というのもあるから、収支を考えつつ出来るだけ多くの子に門戸を開放してあげて欲しいが、塾にとって今一番の使命は、進度の遅れを実質的に解消してあげることだ。
 頑張ってね。